脊椎・脊髄の専門的な診断や治療、最新の医療情報の提供を行っています。
また、セカンドオピニオンの受診も受け付けております。

脊椎脊髄外来のご案内

脊椎脊髄外来は「せぼねの病気」を診る外来です.

• 中枢神経系は「脳」と「脊髄」に分けられます
• 「脳」には「脊髄」という続きがあります.
• 「脊髄」に起こった病気のことを「せぼねの病気」と言います.

 

「脳」と「脊髄」の違い

• 「脳」は頭蓋骨に囲まれてあまり動かない組織です.「脳の病気」の多くは,脳を包んでいる硬膜の中,脳の中に発生します.
• 「脊髄」は背骨以外に,靱帯,筋肉,などの動く組織に囲まれています.「せぼねの病気」の多くは,硬膜の外に発生します.

「せぼねの病気」 の主な症状

•せぼねの病気では,
•肩こり・頚部痛
•しびれ
•腰痛
•麻痺・筋力低下
•などの症状が起こります.

肩こり・頚部痛

• 肩こりは,後頭部から上背部にかけての筋緊張感,重圧感,鈍痛などのことを言います.
• 原因は?
• 頚椎,肩関節,末梢神経系などに問題がある場合
• ストレスやうつ症状など精神的な問題などによるもの
• 特別な原因疾患を認めないもの
• 緊張型頭痛との関連
➡当院では,診察とMRI検査などを通して,問題がないか調べます.

しびれ

しびれとは,触覚,温痛覚などの感覚の異常のことを言います.
原因は?
 • 末梢神経系,脊髄,脳に原因があるもの
 • 例)糖尿病による末梢神経障害,頚椎症,腰部脊柱管狭窄症,脳梗塞・脳出血など
 • 動脈硬化で血管が細くなったり,過換気症候群でも発生します.
➡当院では,脳から脊髄まで問題がないか調べることができます.

腰痛

• 腰痛とは,一番下の肋骨からと殿部までの間に認める痛みのことを言います.
• 原因は?
• 椎間板ヘルニア,骨折,腫瘍,感染,などに伴うもの
• 検査で明らかな異常がないもの
➡ 当院では,診察とMRI検査などを通して,危険な問題がないか調べます.

かくれ腰痛について

腰痛があるのに原因がない?
 • 約8割の腰痛は検査でも異常がないと言われています.
腰痛の原因は沢山ありますが,その中で注目されている腰痛の原因として,「上殿皮神経障害」があります.
この「上殿皮神経障害」は検査でも写りません.
➡当院では,この「上殿皮神経障害」に積極的に取り組んでいます.

運動麻痺・ 筋力低下

• 脳から手足先に到るまでの神経の経路に障害が起こることで発生します.
• 片方の手だけ,足だけ,片側の手足,両足,両手など様々な所見が起こりえます.
➡当院では,診察とMRI検査などを通して, 問題がないか調べます.

「せぼねの病気」 について

当院で取り扱う主なせぼねの病気 は下記のようなものがあります.
•脊椎変性疾患
•脊髄腫瘍
•脊髄動静脈奇形
•頭蓋頚椎移行部疾患
など

脊椎変性疾患について

加齢,力学的ストレスなどが加わり,徐々に椎間板が変性していきます. この椎間板の変性が脊椎変性疾患が起こる引き金になると考えられています.

頚椎椎間板ヘルニア

• 頚椎椎間板の成分が脱出した状態を椎間板ヘルニアといいます.ヘルニアの方向によって,痛みやしびれ, 運動障害などの症状を起こします.
• 治療は保存的治療(のみ薬など),ブロック治療がメインになります.
• 運動障害や膀胱直腸障害を伴う場合は,外科治療も検討します.

頚椎椎間板ヘルニア

頚部脊柱管狭窄症

• 頚椎の椎間板だけでなく,椎体や椎間関節などの変形が起こり,脊柱管が狭くなった状態です.加齢に伴って起こってきます.
• 神経根だけの障害の場合もありますが,多くは脊髄症(左右の手,左右の足などに症状が発生する)の原因となります.
• 治療は保存的治療(のみ薬など)で開始します.症状が進行する場合手術を検討する場合があります.

様々な 頚部脊柱管狭窄症

• 主に骨の変形,椎間板の変性によるヘルニア,黄色靱帯の肥厚などによる狭窄と,後縦靭帯骨化症による狭窄,両者の混在する病態などがあります.
• 狭窄が強くても軽いしびれ程度の症状の方もおられますし,手足がしびれて歩行困難な方もおられます.
• 治療は画像診断の後,まず内服加療を開始して, 反応をみながら時間をかけて考えていきます.

頚椎変性疾患の治療法 (前方からの治療)

頚椎変性疾患の治療法 (後方からの治療)

腰椎椎間板ヘルニア

•腰椎椎間板の成分が脱出して,馬尾・神経根を圧迫し,腰痛や下肢痛などの症状を起こします.
•椎間板の変性は頚椎よりも腰椎の方が早いと考えられています.
•治療は保存的治療(のみ薬など),ブロック治療が中心になります.
•運動障害や膀胱直腸障害を伴う場合は,外科治療も検討します.

腰部脊柱管狭窄症

•脊柱管を構成する椎間板の膨隆,黄色靱帯の肥厚,椎間関節の変性肥厚,などにより脊柱管が狭くなり,馬尾が圧迫され血液循環不全が起こる,あるいは神経根が圧迫される,などで腰痛や下肢痛が起こります.
•典型的な馬尾圧迫の症状は,歩行によって誘発・悪化する下肢のしびれと痛みです(間欠性跛行).座ったりしゃがんだりすると改善します.
•治療は保存的治療が中心となりますが, 症状経過次第では手術を行う場合があります.

腰椎変性疾患の治療法 (後方からの治療)

脊髄腫瘍について

•脊髄腫瘍は,脊髄の中に発生した腫瘍,神経根・髄膜(硬膜やくも膜)に発生した腫瘍,脊椎に発生した腫瘍に分けられます.
•脳腫瘍の1/5 – 1/10の頻度とまれな疾患です.
•脊髄や神経根の圧迫によって手足や背中の痛み,運動マヒ,排尿・排便障害などを起こします.
•症状がない,軽度の場合は経過観察を行う場合がありますが,症状を伴う腫瘍の場合は病理検査(悪性か良性か)の必要性も出てきますので,手術が検討されます.

脊髄腫瘍の治療 (代表例)

脊髄腫瘍の治療 (代表例)

脊髄血管障害 について

•脳に起こる血管障害は頻度が高く, 脳梗塞,脳出血,くも膜下出血などが有名です.
•脊髄にも同じように,脊髄梗塞,脊髄出血,脊髄くも膜下出血,といった病気がありますが,大変頻度が低 い病気です.
•その中では,脊髄動静脈奇形,中でも脊髄硬膜動静脈瘻は外科的治療の対象となり,他の疾患と間違われて診断が遅れることが多く,鑑別疾患としても重要な病気です.

脊髄硬膜動静脈瘻 について(病態)

• 何らかの原因で,神経根を栄養する根動脈と,脊髄から外へ流れる静脈の間に瘻孔(シャント)ができてしまいます.
• その後動脈の血液が直接静脈に流れるようになり,脊髄の静脈が拡張して,脊髄の循環不全を起こしてしまいます.

脊髄硬膜動静脈瘻 について(画像所見)

脊髄硬膜動静脈瘻の治療

• 動脈と静脈のシャントにより,正常の静脈に動脈血が流れるようになります.この動脈化した静脈を遮断することが治療 になります.
• 治療は血管内手術と外科的治療がありますが,根治性を考慮して,当院では外科的治療を行っています.

頭蓋頚椎移行部について

頭蓋頚椎移行部は,頭の骨から背骨に移行する部分を指します.
頭の回転,屈曲伸展,などの様々な動きに関係する部分で,関節と靱帯が大事な働きをしています.
生まれつきの奇形や,年齢とともに変性が起こりやすい場所です.

頭蓋頚椎移行部に発生する病気ついて

• 生まれつき後頭蓋窩が小さいことなどが原因で,小脳の一部が頭蓋骨からはみ出している所見が典型的です.
• 脊髄空洞症を伴うことが多いです.
• 頭痛(咳や力んだときの後頭部痛)や手・腕の痛覚低下(空洞症による)が典型的な症状です.

頭蓋頚椎移行部に発生する病気ついて

• 第一頚椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)の間の靱帯に緩みが発生して,徐々に脊髄が歯突起と環椎の間で圧迫を受けるようになります.
• 緩みは,リウマチ,外傷,変性,などで起こります.
• 軸椎の背中側に偽腫瘍と言われる傍隆を伴うことがあります.
• 頭痛(頚を動かしたときなど)や脊髄症(手足のマヒ,感覚 障害など)が典型的な症状です.

頭蓋頚椎移行部に発生する病気ついて

• 第二頚椎の一部(歯突起)が脳幹に食い込んだ状態です.脳幹を前方から圧迫します.
• 生まれつきの頭蓋頚椎移行部の骨の奇形(後頭骨と第一頚椎の癒合など)を伴うことが多いです.
• 脳幹の症状(ふらつき,嚥下障害など)や脊髄症(手足のマヒ,感覚障害など)が典型的な症状です.

担当医

土曜日14:00~18:00
担当:鹿児島大学 脳神経外科
新納 忠明 医師