髄液動態不全に伴う自律神経失調症外来(硬膜外気体注入療法外来)・コロナ後遺症外来のご案内

自律神経失調症について

自律神経失調症は交感神経・副交感神経といった自律神経のバランスが崩れ、全身性のつらい症状が生じます。
自律神経は私達が意識しなくても勝手に働いてくれている神経ですが、様々なストレスが加わった時や、精神状態、内分泌系システムや免疫系システムの乱れにより自律神経のバランスが崩れてしまうことがあります。また体の成長に自律神経の調整が追いつかず、様々な症状が出現する場合もあります。
自律神経失調症に陥りやすい二大原因は不眠症と脱水症で、自律神経のバランスが乱れた原因がはっきりしている場合は、原因となる病気を治療する、原因を避けることで症状の改善が得られます。
原因が不明の場合に「自律神経失調症」と言われ、心の病として扱われる傾向があります。

当院は「髄液動態不全」の代表疾患である、特発性正常圧水頭症脳脊髄液減少症の診療を2004年から取り組んで参りました。そしてこの 20 年間で脳脊髄液減少状態に陥った後、光過敏や音過敏、めまい、倦怠感など「自律神経失調症」を呈する多くの症例を経験してきました。私たちは「自律神経失調症」に陥りやすい体質・背景に「髄液動態」が大きく関与していると考えています。2009 年には特発性正常圧水頭症の臨床症状は副交感神経の過緊張状態を反映しているのではないかと論文で語られており、水頭症手術後に髄液を排出し過ぎたときに、交感神経の過緊張状態に陥ったと考えられる、様々な不定愁訴が出現することも良く経験します。

近年脳脊髄液漏出症、脳脊髄液減少症、低髄液圧症候群の鑑別診断が脊椎 MRI で可能となってきていますので、これらの所見を参考に、様々な入口により生じた「自律神経失調症」が点滴治療酸素カプセルブラッドパッチ硬膜外気体注入療法といった脊柱管内加圧療法により改善が期待できると強く考えている次第です。

硬膜外気体注入法を開発、実施されている当院顧問の高木清医師は、「脳脊髄液減少症・低髄液圧症候群」「起立性調節障害(特に体位性頻脈症候群)」「過敏性腸症候群」「多汗症」「慢性疲労症候群」「線維筋痛症」「子宮頚癌ワクチン後遺症」「コロナワクチン後遺症」「コロナウイルス感染症の罹患後症状」、等でみられる自律神経失調症の症状改善・維持効果が期待できると考えておられ、我々の研究結果もそれを支持しています。

今のところ「自律神経失調症」に対する確実な治療方法は存在せず、主に原因の精査・治療、対症療法や生活指導が行われているのが現状です。我々の行っている治療「硬膜外気体注入療法」は、短期間で自律神経を整え、体調を改善させるイメージで行っています。残念ながら、現在この治療は保険診療ではなく自由診療(全額自費負担)です。しかし様々な薬物療法や非薬物療法、認知行動療法等を行っても、なかなか良くならない方には一度検討しても良い治療方法ではないか、と考えています。

なお我々は、この治療が保険診療になることを目指して科学的データの収集・整理をすすめています。まずは、「自律神経失調症」と診断されて治療されているものの、なかなか良くならない患者さん、そして「こころの病」として片付けられている患者さんに、当院の自律神経失調症専門外来の受診をおすすめします。情報を整理して診断・治療方針を一緒に考えていきましょう。

自律神経失調症外来受診に際して

症状や経過をきちんと把握することが、速やかで適正な診断・治療につながります。
予約後、受診の際には下記の問診票をダウンロードし印刷してご記入の上ご持参下さい。

軽度外傷性脳損傷(脳脊髄液減少症)等チェックリスト

自律神経失調症の症状チエックリスト

当院の(髄液動態不全に伴う)自律神経失調症外来で取り扱う主な疾患・症状

  1. 軽度外傷性脳損傷
  2. 脳脊髄液漏出症・脳脊髄液減少症・低髄液圧症候群
  3. 起立性調節障害(特に体位性頻脈症候群)
  4. 過敏性腸症候群
  5. 多汗症
  6. 慢性疲労症候群
  7. 線維筋痛症
  8. 子宮頸がんワクチン後遺症・コロナワクチン後遺症 等
  9. コロナウイルス感染症の罹患後症状(コロナ感染後遺症) 等

新型コロナウイルス感染症の後遺症(罹患後症状)について

新型コロナウイルス感染症に感染した後、治療や療養が終わっても、頭痛、めまい、倦怠感や集中力低下といった症状が長引く、罹患後症状のある人がいることが分かっています。
WHO:世界保健機関の定義では、新型コロナウイルスに罹患した人で、このような症状が少なくとも2カ月以上持続し、また他の疾患による症状として説明がつかないものとされています。

当院のコロナ後遺症外来で取り扱う主な疾患・症状

  1. 頭痛
  2. めまい
  3. 倦怠感
  4. 不眠
  5. 物忘れ・考えがまとまらない(ブレインフォグ)
  6. 集中力低下
  7. 抑うつ など

鹿児島県のホームページで詳しい説明があります
新型コロナウイルス感染症の後遺症について
後遺症チェックシート(PDF:319KB)新型コロナ後遺症外来受診の際にご活用ください

診療予約について

診療予約はお電話にて承ります。
自律神経失調症外来、コロナ後遺症外来の予約希望の旨お伝え下さい(完全予約制)
電話:099-226-1231

担当医:
脳神経外科 厚地 正道 医師
水曜日 午後 2 時~午後 6 時
木曜日 午前 9 時~午後 0 時 午後 2 時~午後 6 時(要予約)
金曜日 午前 9 時~午後 0 時 午後 2 時~午後 6 時(予約不要)
土曜日 午前 9 時~午後 0 時 午後 2 時~午後 6 時(要予約)
日曜日 午前 9 時~午後 0 時(要予約)
※硬膜外気体注入療法・自律神経失調症予約外来、コロナウイルス感染症の罹患後症状外来の予約特診料について
厚地医師の予約外来につきましては予約特診料を頂いております。
(水曜日・木曜日・土曜日は 1時間あたり予約特診料 3,000 円をご負担いただきます。)
(日曜日は 1時間あたり予約特診料 5,000 円をご負担いただきます。)

脳神経外科 高木 清 医師
第 1 土曜日 午前 9 時~午後 1 時


※`診療予約はお電話にて承ります。予約希望の旨お伝え下さい(完全予約制)
電話:099-226-1231


NEW   硬膜外気体注入療法の詳細についてはこちらから  他のウェブサイトに移動します

受診を考えの方へお願い

この「硬膜外気体注入療法」はあくまでも「自律神経失調症」の改善期間を短縮する治療方法と考えて下さい。
現在の治療を打ち切ってこの治療のみに走ることは大変危険ですので決してそのようなことはなさらないで下さい。